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タイ最北端、チェンライの洞窟での少年13人失踪事件のローカルな裏話 後編

  • Writer: JR Siam Kata Resort
    JR Siam Kata Resort
  • Aug 25, 2018
  • 5 min read

前回の記事、タイ最北端、チェンライの洞窟での少年13人失踪事件のローカルな裏話の後編です。



自然が多いチェンライ



前回のおさらいをすると、ローカルの間では


・メインで語られていたストーリーとは別に、チェンライの伝説がローカルの間では語られていた


・昔からの言い伝えのキープレイヤーとなるのは妊娠がばれてしまい殺された一国のプリンセス


・高僧たちが裏で動いていた


・霊的なものが関係しているとみられていた


・アメリカに住んでいたタイ人の夢からミャンマー人の高僧に繋がり、高僧がチェンライの洞窟へ行き、解決



洞窟の遭難事件で高僧たちが動き、地元の人たちも伝説を信じつつも彼らの生還を祈っていた、というとても仏教国のタイらしい側面が見えてきます。


今回の記事では失踪事件の裏話のさらに深くまで探り、その仏教国タイの考え方に触れていきたいと思います。




北タイ、ランナー王国様式のお寺



今回は

なぜその僧侶じゃないといけなかったのか?

なぜプリンセスの霊は彼らを解放したのか?

そしてなぜそもそもそんな洞窟で12人の子供たちとコーチが洞窟で失踪したのか?


についてローカルの人の間ではどういう考えだったのかをシェアしていきます。



まずタイの事件なのになぜミャンマーの高僧の Maing Hpone Sayadawさんが?という疑問。


前回のプリンセスの伝説に戻ります。

伝説では、プリンセスは妊娠が発覚し、実の父に処刑をされました。


相手はお付きの人でしたね。

処刑が言い渡されたとき、そのお付きの人は自分から名乗り出るでもなく、プリンセスを守ろうともせず、自分の身を守ることを一番に考え、自分が関係を持ったことを秘密にし、ひっそりと身を隠していました。


そしてプリンセスが追放され、自分の身が安全だろうという時にお城にもどり、何事もなかったかのように王様に仕えました。


この話しがどう繋がってくるかというと、まず、タイの輪廻に対する考え方を理解する必要があります。


タイ仏教の輪廻の考え方は、今世でいいことをすれば来世にとてもいい人生が送れ、今世でとてもいい人生を送っている人は前世でとても善い行いをしたからだ。

だから今世ではお寺に行って徳をためて、善いことを行い来世いい人生を送るように頑張ろう!というものです。


また、カルマ(業)というものもとても特徴的です。

いいことをすればいいことが返ってくる、悪いことをすれば悪いことが返ってくる。

個人個人の関係も複雑なカルマによって成り立っていると考えられています。


そして、タイ人はこの「カルマ」も前世から今世、そして今世から前世と輪廻と共に個人に影響すると信じています。



ローカルの人々の間では、ミャンマー人の高僧、Maing Hpone Sayadawさんが呼ばれたのは前世、または前々世で処刑されたプリンセスの旦那さん(お付きの人)だったのでは、と言われています。


昔プリンセスがお付きの人と創りあげたカルマ、そしてお付きの人がプリンセスと創りあげたカルマの精算で、一連の事件の中で他のタイ人、ミャンマー人の高僧は部外者扱いで、ミャンマー人の高僧だけの話しを聞いたのではないか、というタイ人の話しがありました。



そして、カルマの精算という概念。



多くのタイ人が、自分が創りあげたカルマ(業)はどのような形であれ、何年かかろうとも必ず返ってきて精算しなくてはいけない、と考えています。


その概念を元に今回の子供たちのことを考えてみましょう。


普段は簡単に見つからない洞窟を前に、少し遊ぼうと思い入ったとたんに突然土砂降りの雨が降り、そして洞窟にいる間も子供たちがいるであろうところで局地的な雨が降り続けていたり。



この12人の子供たちは、伝説に出てくる処刑される前にレイプした男性たちのカルマを持っているのでは、と言われています。


ただ、高僧たちがプリンセスの霊とコンタクトを取ろうとしたら悲しそうな、起こってるような表情をしていた、という事でした。

そのわけは、子供たち、プリンセス、そしてプリンセスの相手、みなカルマを精算しないといけない時に来ていて、プリンセスは怒りもあり、ただ、そのカルマを受けるには彼らはみんなまだ子供で子供がこういう目に合うのがとても悲しい、という意味での表情だった、と高僧の一人が話してくれました。



そして、最終的にはミャンマーの高僧(プリンセスの相手?)とプリンセスが話しをして、子供たちを解放した、という大昔のチェンライの物語に新たなページが刻まれました。



そしてもう一つ着目したい点が、こんな伝説があるチェンライの洞窟で、いつ助けが来るかもわからない、持って入った懐中電灯はすぐに電池切れで右も左も見えない真っ暗闇。


こんな状態で一人もパニックを起こさず、精神を維持していました。



その理由は瞑想にありました。






タイ仏教のヴィパッサナー瞑想という瞑想法で、タイのお寺で一般的に教わる瞑想法です。


ヴィパッサナー瞑想は、「過去、未来を考えずに、今この瞬間だけにフォーカスする」という瞑想法です。


瞑想中にわいてくる、いつ助けがくるんだろう、お腹すいた、怖い、などのネガティブな感情をあるがままの感情として主観的に観察し、意識を「今」に戻します。


普通なら気が狂いそうなところを、この瞑想をしながら約3週間チェンライの洞窟で過ごしていたようです。



今回の失踪事件はとても話題性のあるニュースになり、世界中から注目されました。


ただ、チェンライは北タイの田舎町でローカルな話しが全くなかったので記事にしました。


これをきっかけにチェンライ、そして独特な考え方のタイ仏教(上座仏教)に興味を持ってもらえたら嬉しいです。



 
 
 

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